【第I章】 |
がんばろう!街の不動産屋 でも、このままで良いのでしょうか? |
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1. |
「半ちゃん」不動産業 |
016 |
2. |
相も変わらぬワンマン経営 |
021 |
3. |
「後継ぎに後を継がせたくない」 |
024 |
4. |
どんな街にも押し寄せる大手FCの波 |
027 |
5. |
「家業」から「企業」に変るつもりはあるか? |
029 |
6. |
「知識」を「生活の知恵」に |
034 |
7. |
いま、街にある需要は何か? |
038 |
8. |
「少子化」で賃貸には展望はないか? |
043 |
9. |
オーナーや地主が求めているものは? |
049 |
10. |
不動産業の新しいあり方 |
052 |
【第II章】 |
がんばろう!街の建設屋 でも、このままで良いのでしょうか? |
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1. |
もう「公共事業」にはすがれない! |
062 |
2. |
新市場にシフトできないのは誰か? |
068 |
3. |
「建設個人型市場」への展開 |
071 |
4. |
「建てっ放し」では客は増えない! |
076 |
5. |
普通の不動産屋では賃貸管理はできない |
080 |
6. |
新宿のビジネスホテルから始まった |
084 |
7. |
「共同経営」の覚悟を持て! |
088 |
8. |
中小建設会社の生き残る道 |
090 |
【第III章】 |
それぞれの街から生まれ変わる不動産業 |
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1. |
賃貸管理は事業転換から始まった |
094 |
2. |
土地・家あまりが現実となった
〜相場を決める眼鏡が曇った〜 |
099 |
3. |
オーナーだから分かるオーナーの心理 |
103 |
4. |
不動産賃貸管理業とは何か?
〜賃貸経営のトータルサポート〜 |
108 |
5. |
現代の要請に応える仕事 |
113 |
6. |
賃貸管理―周辺業務のシステム化 |
116 |
7. |
大手に負けぬマネジメント力を |
119 |
【第IV章】 |
恐れるな!侮るな!インターネット
〜社長!あなたがやらずに誰がやる〜 |
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1. |
ネット集客は絶対必要条件だ! |
126 |
2. |
社長がやらずに誰がやる? |
130 |
3. |
「ヤッホー」くらいは見てみよう |
133 |
4. |
単体のホームページは利用されず無駄
〜広告代理店の餌食になるな〜 |
136 |
5. |
全国サイトに登録して効果は出たか? |
138 |
6. |
賃貸を知らないネット屋の話は甘い |
143 |
7. |
キーワードは「地域」「すぐに」「全部分かる」 |
147 |
8. |
自分たちで作る、全国どこでも同じアドレス |
151 |
9. |
チラシ・看板もネット感覚で |
155 |
【第V章】 |
自分たちで作る全国ネットワーク 〜仲間は地方にゴマンといる〜 |
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1. |
夜の飲み屋街で |
160 |
2. |
仲間づくりで生き抜くネットワーク |
163 |
3. |
地方からのブランドづくり |
167 |
4. |
磨こう!地域No1店のノウハウ |
170 |
5. |
当たり前の接客術を身につけよう |
172 |
6. |
「会社」にふさわしい経営力を |
176 |
7. |
人づくり――出る釘は打つな! |
179 |
8. |
「品ぞろえ」―物件仕入れの発想を変えろ |
183 |
9. |
「マスコミに訴えて」もらおう! |
188 |
【第VI章】 |
街の不動産屋と建設屋がつくる新しい生き方 |
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1. |
賃貸管理業の全国ネットをつくろう |
194 |
2. |
「デフレ不況」の影響はどうなる? |
197 |
3. |
治安の悪化とオーナー・入居者への影響 |
199 |
4. |
求められるコンビニの快適さを |
201 |
5. |
賃貸管理業には大きな展望がある! |
203 |
6. |
街の企業の新しい生き方 |
206 |
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【第T章】 がんばろう!街の不動産屋 でも、このままで良いのでしょうか?
Fいま、街にある需要は何か?
あなたの街で「バブルの再来」はありえるのでしょうか?「あのころは」、「バブルの時は」……と不動産屋なら誰でも「良き時代」としてふり返る「バブル経済期」。私も、それなりに儲け仕事をさせていただきました。
でも、いったい当時はどういう需要があり、何故儲けることが出来たのでしょうか?
「何故儲かったか、だって?儲かったのは、景気が良かったからに決まっているじゃないか」なんて考えていませんか? こういうことを言っているから街の不動産屋は憂き目に会うのです。この水準を超えることが重要なのです。バブルの当時、本当に、土地の有用的活用のための需要が伸び、1戸建て住宅や分譲マンションに住む人が増えたかというと、じつはそうではありません。土地や住宅やマンションが投機の対象になり、資産運用の手段にされたことが、需要拡大の大きな要因でした。
「このところ、大口の土地売買の話がさっぱり舞い込まない」と嘆く不動産屋の社長さんはたくさんおられますが、じつは、そんなことはもともとあたり前のことなのです。特に地方では、そもそも持家率が高く、相続財産も含めれば、新規に宅地を取得する必要性はもともと低いのです。たとえ建替え需要はあったとしても、宅地需要は今後ますます減少するばかりです。土地は既に10年も前から余っています。いまさら土地売買の話なんて出てくるはずがないのです。
では地方都市における、賃貸物件の市場の広がりはどうでしょうか?
街の不動産屋の場合、伝統的に、アパートやマンションの賃貸仲介は、「日銭を稼ぐ」ものとして軽視されてきました。
でも、この市場にはまだまだ力があります。
実際、自慢好きの「おやじ」さんの不動産会社が何とかつぶれずに維持できているのは、決して大口土地売買の「夢の力」によるのではなく、じつは、少額ずつとはいえ賃貸仲介で着実にお金を得ているからなのです。
大手FCが全国的にチェーンを拡大しようとしているのも、賃貸の市場に大きな魅力を見出しているからにほかなりません。
Cどんな街にも押し寄せる大手FCの波
「日本全国どこの街でも〜」とか「ネットで探せる△□」などと大手のCMはどこの街でもひっきりなしに流れています。そして、人口5〜6万人を超えれば、どこの地方都市でも大手フランチャイズチェーン店の一つや二つは必ず進出してきています。
大きな仕事は望めなくても賃貸仲介を数こなして日銭を稼いでいけば……と思ってなんとか毎日努力していても、大手賃貸仲介業者の全国展開の前に、しだいしだいにお客さんを食われはじめ、日銭稼ぎも足元が怪しくなり始めているのです。……
しかし、街の不動産屋や建設屋が求めている全国的なつながりは、こうした「力の論理」によるFCではないはずです。むしろ、街の商店や会社が力を合わせて生き残るためのネットワーク、つまり《自社を守り新たな市場を獲得するための仲間づくり》をこそ、求めているのではないでしょうか。
I不動産業の新しいあり方
街の不動産屋は、いま、根本的に生まれ変らなければならないと思います。
店のつくりや接客の仕方、インターネットなどの新しい集客用媒体の使用などは当然のことですが、それ以上に、そもそも街の不動産業のあり方自身、つまり不動産屋の業態そのものを変えなければいけないと思います。……
「賃貸仲介業」では、たいていの場合、契約時に仲介手数料が発生するだけですが、管理業務では、とにかく毎月収入があります。取り扱い戸数が増えれば「毎月」の安定した収入額も上積みされて行きます。
【第V章】 それぞれの街から生まれ変わる不動産業
F大手に負けぬマネジメント力を
フローのビジネスからストックのビジネスへ
集客・賃貸仲介・賃貸管理をコア・ビジネスとして、その周辺に多種多様なビジネスをシステム化していくという発想と手法は、従来の不動産業にはなかった「ストック・ビジネス」の範疇に入ると私は思っています。言い換えれば、従来の仲介・売買だけの不動産業は「フロー・ビジネス」であり、それから新たな「ストック・ビジネス」に転換すべき時代がやってきていると考えているのです。
オーナーとの間で契約を結んで管理する物件が増えれば増えるほど、定期的・継続的で安定的な収入が期待でき、しかも新しい事業展開を呼び起こし、それらの積み上げにより「売り上がる」仕組みを作っていくものです。
賃貸管理業は、長期的な安定経営をもたらす、まさに「ストック・ビジネス」そのものといえましょう。
ストックのビジネスへ移行した結果、潟激塔gライフでは、設立4期目にして賃貸仲介管理単独で粗利益1億円を達成することができたのです。
「不動産業崩壊」より抜粋
【第U章】 がんばろう!街の建設屋
でも、このままで良いのでしょうか?
C「建てっ放し」では客は増えない!
「賃貸マンション建設の受注はどうやったら増やせるのか?」
このごろは、建設会社の社長さんからこのように質問されることが多くなりました。
「建てっ放しにしていませんか?」
そういう時に、私は、こう質問することにしています。
じつは、この点が、建物を「建てる」ことを生業にしてきた建設会社社長さんたちがなかなか気付かない核心問題だと思うからです。
賃貸マンション建設にあたって、従来、建設会社が気にしてきたことは、施主であるマンションオーナーの気に入るような、綺麗で使い勝手の良い、耐久性のある、値段も手ごろなマンションを建てることでした。建設会社なのですから、商品の出来栄えを気にすることは当然のことで、「良いマンションを建てる」ことに使命感を燃やしてあたり前です。
けれども、たとえ建設会社がどんなに良心的にそれらに力を尽くして仕事をしたとしても、マンションオーナーには、さらにその先にどうしても気になる大問題があるのです。
「入居者は集まるのか?」「満室になるのか?」という問題です。
……………
引き渡した後は、オーナーが不動産業者と相談して自力で行ってくださいというのが、街の建設会社のこれまでの、ごくあたり前のスタンスだったのです。
でも、現在、これでは、マンションオーナーの心をつかむことは出来ません。つまりマンション建設の受注を増やすことにつながらないと思うのです。
そもそも、賃貸マンションの建設は、入居者からの賃貸収入を前提として、オーナーにマンションという投資を提案している訳でありますから、工事をするだけの建設会社にとっては、実態のないバーチャルな投資を勧めているようなもので、まったく不思議な感覚を覚えます。
今まではこんなことがごく当たり前のように行われていたわけですから、建てれば入居者はなんとかなるという、正に貸手市場の時代の中での出来事と言えるわけです。
オーナーからすれば、出来栄えの良いマンションを建ててもらいたいのは山々のことですが、さらに「常に満室経営」で安定した収入が保証され、入居者が気持ちよく生活できて・トラブルに巻き込まれないような、マンションの運営・管理が大きな問題としてのしかかっているのです。
……………
E新宿のビジネスホテルから始まった
じつは、私が会長を務める不動産賃貸管理会社(株)レントライフの出発点が、まさに今までに述べたようないきさつだったのです。
(株)レントライフは、私が経営している不動産会社・(株)桜井商会と、当社社長を務める小澤仁が経営する建設会社・南建(株)=05年1月に(株)フォレストコーポレーションと社名変更=とが共同出資して00年9月に設立した会社です。
その年の暑い夏の日、私は小澤に誘われて、東京新宿で開かれたある有名なマンション工法のフランチャイズ講習会に参加しました。工法の話ばかりを3時間も聞かせる講習会。
当時すでに「いくら良いマンションでも建てるだけでは入居者は集まらないよ」と思っていた私は、無駄な金を使ってしまったなと悔やみながら、講演会が終わると早々に宿泊先の新宿のビジネスホテルに戻り、シャワーで汗を流していました。
その時小澤が、大きな音でドアを叩くのでビックリして中に入れると、「工法の話ばかりでつまらない講習でしたね。でも、あの有名マンション建設会社がこんな水準なら、よくお話されているように賃貸管理に力を入れればもっと受注機会は広がるはずですよね」と息を切らして話し始めたのです。
「よく話している」というのは、まさに先ほど触れた「賃貸マンション建設に力を入れるのならば、建てっ放しではなく、後の面倒まで見なければダメだ」という話。
当時、私が経営する不動産会社・桜井商会は、小澤の経営する南建が建てたマンションの賃貸仲介業務を引き受けていたことから、「マンション建設の受注を増やしたいのなら、自分で賃貸の店をつくり、入居者募集や物件管理の苦労と、お客様の生の声を知って時代のニーズをつかまなければいけない」などと、若い小澤にそれ以前にも話していたのでした。
……………
「桜井商会の業務を賃貸管理業まで広げてほしい」という小澤の提案に、正直言って最初は私も少し面食らいました。理由は簡単。賃貸管理業務は当時何もノウハウが開発されておらず、桜井商会でやれと言われたって、そう簡単にはできやしないと思ったからです。
しかし、賃貸管理業への進出がマンション建設の受注拡大につながるという小澤の確信は、私の考えとピッタリ重なるものでした。私としてはまさに「わが意を得たり」の思いが強く、彼と協力し、力と知恵を合わせていけば賃貸管理のノウハウも解明していくことができるのではないかと思ったのです。
それで、設立する賃貸管理の専門会社は、私が会長を、小澤が社長を勤めるという布陣にし、まさに不動産屋と建設屋が一体となって、賃貸管理とはどういうことかを考え・実践することに決めたのでした。
お陰様で、開設当時、管理戸数100戸・取扱戸数750戸だった当社は、4年後の05年初頭には直営店の合計で同じく1941戸・2320戸にまで一挙に営業規模が拡大。このレントライフの管理戸数の伸びと比例して、南建=現在のフォレストコーポレーションの賃貸マンション建設戸数も、5棟から23棟へ大きく跳ね上がりました。わずか4年間で4倍強の驚異的な伸び方です。
「不動産業崩壊」より抜粋
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